音けっと第9楽章 入手物感想

これはなに?

このページは、2025/12/14の音けっと第8楽章に参加して、後に各種SNSで入手した物の感想を書いていたのを、
体裁だけこのページ用にまとめて再掲したものです。
以下のセクションから文体が大きく変わりますが、文章そのものは元の感想文の最終バージョン(2026/1/8)から手を加えていません
下記で繰り返す通り推敲不十分なところは多いですが、あらかじめご容赦ください。
また、文責はナイラーにありますが、これはサークル「アルミビジョン」の人間としてではなく、一リスナーとしての率直な感想を書いたものです
少なくとも自らの利益のため他者を貶める目的で書いたのではないということ、ご理解頂いた上でご覧ください。

序文

この文章群は、私ナイラーが2025/12/14の音けっと第9楽章で入手した楽曲/作品の感想を殴り書きしたものである。
当然ながら私の主観や忖度が多分に入っていることを念頭にお読みいただきたい。
あわせて、文章の書き方の都合文中に出てくる人物や団体の名前には敬称はつけていない。
また他作業の合間に書き進めているものなので、文体統一や推敲など不十分になることが予想される。読む前にあらかじめこれらをご了承いただきたく思う。

秋のM3に引き続き、今回も入手物を聴いた感想を書いていこうと思う。

すでに別テキストで語らせていただいた通り、秋M3の大波乱から約2か月。再び定期開催に戻った音けっとが開催された。
コロナ禍以前から音けっとのサークル参加者層は、大雑把に「初参加以降居続けている常連組」と「1回出てみてそれ以降出ない新規組」に分かれていると認識しているのだが、今回は新規組がかなり増えたように感じた。
時期的には前回の音けっと終了直後から今回の募集を開始しており、M3に落選したサークルの一部が次回M3を待つのではなく音けっとに振り替えてリリースする方向に動いたのだと考えている。

であるが、今回も変わらずいつも通りの音けっとという感じで、今回筆者がサークル参加してとある方とお話していたときにようやく言語化できたのだが、
近年のM3がともすればサークル参加する音屋側の「生活資金を稼ぐ手段」に寄って、運営もサークルも一般参加者もギラついているイベントになりはじめたのに対し、
音けっとは今でもアットホームに他のサークル参加者や一般参加者との「横のつながりを作るきっかけ」になるイベントである、という印象だ。

ただ、今回サークル参加側でスピーチイベントについて、主に持ち時間の面で賛否両論出ており、「場」としての運営をすることの難しさも感じている。運営側スタッフじゃないのに。
三者が三者の立場でうまい落としどころを見つけてくれれば、と思うがどうなるだろうか。

凡例

以下、各作品は次のような凡例で記号を付けている。
 通常の作品
 筆者とこのM3以前に明確な接点がある人の作品
 筆者が参加している作品

各作品の感想

◎12/21聴取分

○Nyan.PLANET - ambit
ポストロックという無二の武器で近年の音ゲー公募で名を馳せているコンポーザーTAKIOと、同じくスマホゲーを中心に音ゲー公募でよく名前を見るボーカリスト羽鳥玲のユニットによる初作品。
本EP収録内容も、YouTubeの公式チャンネルにアップされているような公募参加曲をブラッシュアップしたものが中心になっている。
メンバー各位のソロワークを知っているとむしろ意外なほどにジャンルが多様で、また2人とも歌っている曲も何曲かあるなど、「ユニット」感がかなり強い作品。
特にTr.02が「和風の世界観の歌詞を」「ラテン系のオケで」「ツインボーカルする」という盛りっぷりで、ここまで力強い物量の楽曲はかなり久々に聴いたかもしれない。

◎12/22聴取分

○茶壷 - ねコトルーパー
関西のガジェット楽器系コミュニティで活動している茶壷(「チャーフー」と読む)のアンビエント作品。
何らかの和楽器と思しき音の生録音と、それらを編集した音で空間が組まれている。
筆者にとってはアンビエント系のジャンルは電子音で組まれるもの、という先入観があったが、あらかじめ演奏された音の編集またはインプロビゼーション的に弾いた楽器を時間軸に合わせて再編集して、このように暗く深い空間が生まれるとは驚いた。
あえて1枚の紙から折ることで色々な場所に遊びを仕込んだケースも見どころ。

○THE EAT PET FUCKERS - 死生花
たまたま筆者のサークルの前側のブースにいらっしゃって、たまたまアルミビジョンよりもアルミビジョンっぽいブースづくりをされていたので思わず声をかけてなんやかんやで購入したもの。
ゼロ年代初頭にタイアップを連打していたあるV系バンドのような(そう、具体的に名前は挙げないが彼らも自認は「ポップなパンクバンド」だったはず)、
重々しさと清々しさが奇妙なバランスで共存した、アンビバレントな曲が収録されている。
今とりあえず戦利品を全部1周するという目的で聴いているとつかみどころがないように思えたが、一方でいつかこの作品が突然刺さる日が来るのだろうなという確信もまたあった。

○DE-SIRE - DE-SIRE :: REINTEGRATION
今年夏、突然コミケに参戦して界隈を驚かせた音ゲー黎明期の作曲家NAOKIの別名義DE-SIREによるミニアルバム。
(本人も音けっとに参加する予定だったが、已むに已まれぬ個人的な事情で急遽不参加とのことだった)
DE-SIRE名義にはなっているが実際には前半がDE-SIRE名義の複雑なリズム構築を特徴とした楽曲、後半がRE-venG名義のトライバル~エスニック方面の楽曲をメインとしており、
そこにこれまでのNAOKIの他の別名義をクロスオーバーさせて多様な世界観を生み出している。
夏と秋の本名義での2作品同様、ややStepManiaXという海外の音ゲーのサントラに近い性質を感じた。

◎12/26聴取分

○Yocha2K Records - Fragment the Evolution
コンポーザーYocha2Kによる小品集。(EPというには明確なメイン曲はないしミニアルバムというには少し短い)
音ゲー尺かそれより少し長いくらいの、おおむね「ダンスミュージック」と緩く括れるくらいの曲が収録されている。
筆者は把握できていないが実際どこかのスマホ音ゲーで使われていたりするのだろうか。
実際そういう意味では氏がどういう範囲の音を作れるかというのがこれ1枚で把握できる、名刺代わりの1枚としては好ましいものだと思った。

□Fukazawa Katsuya Sounds - Broken Waltz
関西在住のコンポーザーF-Katsによる、3拍子とブレイクビーツを掛け合わせた実験的作品集。
3拍子に合わせてアーメンを刻むというのが筆者的にはかなり新鮮で、知っているリズムが突然中断して最初から打ち直しになったり、
そもそも3拍子合わせで刻む都合聴いたことないようなリズムの刻み方をされていたりと、知的な方面にわくわくする曲集だった。

○Suiren:MusicStorage - Monochrome Erosion
「モノクロームな世界」をテーマにした、Suirenのアルバム。(トラックリストだとスプリットアルバムのように見えるがAriezは氏のハードサウンド用の別名義)
ジャケットの少女がおそらく1曲目のタイトルにある"Elsie"で、彼女の経験する光と闇を7曲(+インスト1曲)で表現している。
聴いた感じと書く曲名を考えると、Suiren名義が光でAriez名義が闇と言ったところか。
それが最後に一人合作の形で終わるあたり、彼女の光と闇を行き来する旅がどうなったかおぼろげにつかめる気がした。

◎2026/1/5聴取分

○Icy Sound Works - Originate
コンポーザーDryDryによる、全曲音ゲーアートコアで構成されたソロアルバム。
やや4×4のフォーマットが多用されがちで意識せずに聴くと不意打ちを受けがち、というかハードルネサンスっぽく聞こえてしまう部分もあるにはあるが、
リードシンセとデジタルピアノの雄弁なフレーズは間違いなくアートコアのそれで、不思議な感覚になる1枚だった。

◎2026/1/8聴取分

○jealouSPECT - Meteor shower
ハンズアップジャンルでDJ/トラックメイキングの双方で精力的に活動しているGOM-TAOの、オリジナルメインのEP。
もちろん全曲ハンズアップで、DJ現場にいるからこその「らしさ」溢れるクオリティの高いトラックが聴ける。
できる限り大きくて低音の出せる環境で聴けばもっと楽しめるだろう。
強いて言えばEPのサイズなのが惜しい、もっともっと聴きたいと思った1枚だった。

◎2026/1/10聴取分

□月面終末観測所 - SO-M
コロナ禍後のM3あたりで知り合ってもう長くなる、FullMoonの3rdアルバム。リリース当時は予算オーバーで買えていなかったものをようやく購入できた。
Tr.1のタイトルトラックが某スマホ音ゲーで大暴れしたことで「ハネた」のでこのテキストを見る前から知っている方も多いかもしれない。
主にリリース時期(2024年夏コミ)の、氏が内外のコンピで提供した楽曲を集めたものに一部新曲を追加した構成になっている。
ソロアルバムの前作「BLUEMOON」後のどこかのタイミングで氏のサウンドが大幅に転換したタイミングがあり、ちょうどこのアルバムが「はざかい」の時期になる。
トラック順は決して製作時系列に並んでいるわけではないが、これは前後どちらの時期に作られたのか?と想像しながら聴くのも面白いかもしれない。

□UDLR - Dreams
テクノ・アンビエント系を作り続けているUDLRの21枚目のアルバム。
「夢」をテーマとしつつも明晰なソリッドな音色とリズムで構築されていて、一方で今作でも聴ける氏の持ち味たる広い空間表現はあいまいさを含んでいる。
理想を意味する夢と睡眠時の脳活動を意味する夢のダブルミーニングなのだろう。この曲は明確にどちらだ、と切り分けられないのが、
夢という言葉について考える難しさを表しているように取れた。

おわりに

いかがだっただろうか。
これらの入手物は私自身の趣味趣向・および衝動が多分に反映されたラインナップなので、特定のジャンルや界隈への偏りは多分にあると思われるが、
拙文が読者の皆様のこれからの同人音楽ディグの手助けとなれば筆者としては幸いである。

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